提案をカタチに変える「第9回西条市地下水保全協議会」
2023年1月29日 18時07分令和5年4月1日から「西条市地下水の保全並びに適正な利用に関する条例」が施行される。私たちは、西日本最高峰、霊峰石鎚山の恩恵を受け、水が枯れることなく湧き続ける西条市に住んでいる。ここを訪れると、人は自然と繋がって生きていることを実感してもらえるような説明を高校生ができるように「学びを深めたい」という気持ちで地下水協議会に参加した。綺麗でおいしい水を私たちに与えてくれている自然。地下水の自噴は、難透水層に挟まれた帯水層の地下水が圧力を受け、その噴出エネルギーが地表面より高い場合に起こる現象だと知った。西条平野では、これに加えて下流側も断層壁で遮断して一層被圧するため、全国でもまれな自噴地帯が形成されており、市内には広範囲に地下水の自噴井があり、これらは「うちぬき」と呼ばれ、その数は約3,000本ともいわれている。
しかし、地下水は無限ではない。量と質を保たないと未来へバトンを渡せない。また、一度汚染されると不可逆性が起こり取り戻せないため事前に防止する対策の強化が必要である。節水だけではなく、地下水の水位を見える化する電光掲示板の設置等が望まれる。
その昔、人力により鉄棒を地面に打ち込み、その中へくり抜いた竹を入れ、自噴する水(地下水)を確保していたようだ。この工法は、江戸時代の中頃から昭和20年頃まで受け継がれてきた。「うちぬき」の名の由来である。現在は鉄パイプの先端を加工し、根元に孔を開けたものをコンプレッサーによるエアーハンマーを使用して、地下水層まで打ち込み、地下水を取水している。「うちぬき」の一日の自噴量は約9万m3におよび、四季を通じて温度変化の少ない水は生活用水、農業用水、工業用水にも利用されている。大量に使い過ぎると水位が下がり、海水が混入してしまう現象が発生する。これから名水百選にも選定されている「うちぬき」の構造やメカニズムを周知する体験や学習会にも参加していきたい。
第10回の協議会には、市内五高校の生徒が積極的に協議に参加し、西条市の水資源を良くする発想を発表し、もっと活発に意見を言えるように勉強していきたい。「千里の道も一歩から!」私たち高校生の視点でアイディアを育みながら、社会と繋がる学習を続けていきたい。このような貴重な機会を与えてくださった西条市長様をはじめ、市役所環境政策課の皆様方に感謝を申し上げたい。